【美術展】「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」Bunkamuraザ・ミュージアム/ルネサンス巨匠と弟子、その周辺: Old Fashioned Club -オールドファッションド・クラブ-
東京渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで6月10日まで、
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」が開催中です。
レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想
2012年3月31日(土)−6月10日(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム
レオナルド・ダ・ヴィンチ
(Leonardo da Vinci, 1452年4月15日 - 1519年5月2日)
いわずと知れた芸術史、美術史の巨人、
ルネサンス万能の天才。
『モナ・リザ』『最後の晩餐』など世界的至宝で知られるダ・ヴィンチの
名を冠した展覧会が渋谷文化村で開幕しました。
この催しは既に静岡市美術館、福岡市美術館と巡回しており、
待望の東京展開催です。
おそらく日本人とって西洋画家の中で最も有名なのが、このダ・ヴィンチかと思います。
画家の名前だけならゴッホなども知られていますが、
作品となると『モナ・リザ』が一番でしょう。
しかし、これほど有名な巨匠でも、色々と謎めいた部分もあるのです。
引用:どのくらい________ ?
まず、この時代にしては長寿で、長く一線で活躍したにも関わらず、
残された絵画が極めてすくない。
なにかと話題が多く、このブログでも何度も取り上げているヨハネス・フェルメール。
彼も残っている作品が30数点しかなく、そこがまた人気の要因にもなっていますが、
ダ・ヴィンチはそれより遥かに少ない10数点しか現存しません。
ですので、今まで多くの真贋論争がありましたし、
最近でも「ダ・ヴィンチの真作新発見か!」なとどニュースが伝わります。
今回も色々と想像を掻き立てられる作品が来日しています。
とはいっても、10数点しかないダ・ヴィンチ作品をそうそう日本に持っては来れません。
展示作中、真作と認定されているのは1点だけで、それもこの東京展のみの来日です。
他には世界各地から集めたダ・ヴィンチと弟子による共作、
弟子やレオナルド派と呼ばれる画家たちの作品、
更にはダ・ヴィンチと同時代の画家たちの作品、
そして書籍や資料など約80点を展示されています。
ここで、マイケルヴィックは、高校に行きました
なぜ、ダ・ヴィンチの作品は現代の私たちまでも魅了するのか。
本展では、ダ・ヴィンチ研究の世界的権威であるカルロ・ペドレッティ氏の名誉監修、
ダ・ヴィンチ研究の第一人者であるアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏の監修、
そして木島俊介氏を日本側監修に迎えるという強固な布陣で、
ダ・ヴィンチの創造した「美の理想」に迫っています。
『ほつれ髪の女』レオナルド・ダ・ヴィンチ
1506-08年頃 パルマ国立美術館蔵
今回が日本初登場となるダ・ヴィンチ作品。ポスター等でも使われています。
50代半ば、円熟期の作品です。
神々しくもあり、でもどこか蠱惑的にも感じる女性です。
聖母マリアだともいわれます。
*この絵は4月7日放送のテレビ東京系『美の巨人たち』で取り上げられました。こちらで紹介しています。
ただ、この作品を看板に掲げてしまうと、
彩色されてない絵など、資料的な展示が多いのかと誤解されてしまいそうです。
そういうわけでもありません。
誰がUCLA 88ゲームの連勝を破った
「レオナルドと弟子とその時代、ルネサンス絵画」
のようなイメージを持たれた方がいいと思います。
鮮やかで美しいルネサンス作品の数々にふれることができます。
レオナルドと並ぶルネサンスの巨匠ラファエロの工房(帰属)作なども展示されています。
また、個人蔵であまり公開実績のない絵が多いのも特徴です。
例えば、こんな絵が展示されています。
これは有名な絵ではないのか!
これが来てるの!?
驚愕してしまいそうですが、これはいわば第三の『岩窟の聖母』です。
『岩窟の聖母』はほぼ同じ構図の2点の絵があることで知られています。
ルーヴル美術館版とロンドン・ナショナル・ギャラリー版ですね。
この絵については昨年秋、テレビ東京系『美の巨人たち』で取り上げられ、
このブログでも紹介しました。
今回来日しているのはルーヴル版を原型とし、本展名誉監修者カルロ・ペドレッティが
ダ・ヴィンチと弟子による共同作品としている個人蔵の『岩窟の聖母』で、日本初公開です。
19世紀フランスの巨匠アングルが、ダ・ヴィンチ作だと考えていたそうです。
しかも、上で便宜上"第三の『岩窟の聖母』"と書きましたが、
構図でいえばこの絵はルーブル版とロンドン・ナショナル・ギャラリー版の
中間に位置しますね。
だから第二の『岩窟の聖母』という見解もあるのだそうです。
この件は改めて比較・検証したいですね。
『レダと白鳥』
ギリシア神話のエピソードをテーマとした絵。
レオナルドによって描かれたと推測されていますが現存しません。
今回展示されているのは、レオナルド周辺の画家による模写とされている絵です。
『アイルワースのモナ・リザ』
これはまた蠱惑的なモナ・リザです。
近現代のパロディ的作品でしょ、と思うかも知れませんが、
レオナルドによる1503年の未完成作との説があるのだそうです。
しかも個人蔵で、日本初どころか、"世界初公開"とのことです。
実物は是非ご自身で確認を。
このようにこの展覧会、特に予備知識なしで行くと、結構サプライズがあるのです。
その他、見どころは色々です。
会期はまだまだありますので、興味の湧いた方はおでかけください。
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