2012年4月12日木曜日

【美術展】「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」Bunkamuraザ・ミュージアム/ルネサンス巨匠と弟子、その周辺: Old Fashioned Club -オールドファッションド・クラブ-


東京渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで6月10日まで、
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」が開催中です。


レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想
2012年3月31日(土)−6月10日(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム

レオナルド・ダ・ヴィンチ
(Leonardo da Vinci, 1452年4月15日 - 1519年5月2日)
いわずと知れた芸術史、美術史の巨人、
ルネサンス万能の天才。

『モナ・リザ』『最後の晩餐』など世界的至宝で知られるダ・ヴィンチの
名を冠した展覧会が渋谷文化村で開幕しました。
この催しは既に静岡市美術館、福岡市美術館と巡回しており、
待望の東京展開催です。

おそらく日本人とって西洋画家の中で最も有名なのが、このダ・ヴィンチかと思います。
画家の名前だけならゴッホなども知られていますが、
作品となると『モナ・リザ』が一番でしょう。
しかし、これほど有名な巨匠でも、色々と謎めいた部分もあるのです。


引用:どのくらい________ ?

まず、この時代にしては長寿で、長く一線で活躍したにも関わらず、
残された絵画が極めてすくない。
なにかと話題が多く、このブログでも何度も取り上げているヨハネス・フェルメール。
彼も残っている作品が30数点しかなく、そこがまた人気の要因にもなっていますが、
ダ・ヴィンチはそれより遥かに少ない10数点しか現存しません。

ですので、今まで多くの真贋論争がありましたし、
最近でも「ダ・ヴィンチの真作新発見か!」なとどニュースが伝わります。
今回も色々と想像を掻き立てられる作品が来日しています。

とはいっても、10数点しかないダ・ヴィンチ作品をそうそう日本に持っては来れません。
展示作中、真作と認定されているのは1点だけで、それもこの東京展のみの来日です。

他には世界各地から集めたダ・ヴィンチと弟子による共作、
弟子やレオナルド派と呼ばれる画家たちの作品、
更にはダ・ヴィンチと同時代の画家たちの作品、
そして書籍や資料など約80点を展示されています。


ここで、マイケルヴィックは、高校に行きました

なぜ、ダ・ヴィンチの作品は現代の私たちまでも魅了するのか。
本展では、ダ・ヴィンチ研究の世界的権威であるカルロ・ペドレッティ氏の名誉監修、
ダ・ヴィンチ研究の第一人者であるアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏の監修、
そして木島俊介氏を日本側監修に迎えるという強固な布陣で、
ダ・ヴィンチの創造した「美の理想」に迫っています。


『ほつれ髪の女』レオナルド・ダ・ヴィンチ
1506-08年頃 パルマ国立美術館蔵

今回が日本初登場となるダ・ヴィンチ作品。ポスター等でも使われています。
50代半ば、円熟期の作品です。
神々しくもあり、でもどこか蠱惑的にも感じる女性です。
聖母マリアだともいわれます。

*この絵は4月7日放送のテレビ東京系『美の巨人たち』で取り上げられました。こちらで紹介しています。

ただ、この作品を看板に掲げてしまうと、
彩色されてない絵など、資料的な展示が多いのかと誤解されてしまいそうです。
そういうわけでもありません。


誰がUCLA 88ゲームの連勝を破った

「レオナルドと弟子とその時代、ルネサンス絵画」
のようなイメージを持たれた方がいいと思います。
鮮やかで美しいルネサンス作品の数々にふれることができます。
レオナルドと並ぶルネサンスの巨匠ラファエロの工房(帰属)作なども展示されています。
また、個人蔵であまり公開実績のない絵が多いのも特徴です。

例えば、こんな絵が展示されています。 


『岩窟の聖母』(1495-1497年頃)

これは有名な絵ではないのか!
これが来てるの!?

驚愕してしまいそうですが、これはいわば第三の『岩窟の聖母』です。
『岩窟の聖母』はほぼ同じ構図の2点の絵があることで知られています。
ルーヴル美術館版とロンドン・ナショナル・ギャラリー版ですね。
この絵については昨年秋、テレビ東京系『美の巨人たち』で取り上げられ、
このブログでも紹介しました。

今回来日しているのはルーヴル版を原型とし、本展名誉監修者カルロ・ペドレッティが
ダ・ヴィンチと弟子による共同作品としている個人蔵の『岩窟の聖母』で、日本初公開です。
19世紀フランスの巨匠アングルが、ダ・ヴィンチ作だと考えていたそうです。


しかも、上で便宜上"第三の『岩窟の聖母』"と書きましたが、
構図でいえばこの絵はルーブル版とロンドン・ナショナル・ギャラリー版の
中間に位置しますね。
だから第二の『岩窟の聖母』という見解もあるのだそうです。
この件は改めて比較・検証したいですね。


『レダと白鳥』
ギリシア神話のエピソードをテーマとした絵。
レオナルドによって描かれたと推測されていますが現存しません。
今回展示されているのは、レオナルド周辺の画家による模写とされている絵です。


『アイルワースのモナ・リザ』
これはまた蠱惑的なモナ・リザです。
近現代のパロディ的作品でしょ、と思うかも知れませんが、
レオナルドによる1503年の未完成作との説があるのだそうです。

しかも個人蔵で、日本初どころか、"世界初公開"とのことです。
実物は是非ご自身で確認を。

このようにこの展覧会、特に予備知識なしで行くと、結構サプライズがあるのです。

その他、見どころは色々です。
会期はまだまだありますので、興味の湧いた方はおでかけください。



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